取引先への安心材料としてSECURITY ACTIONを活用

中堅・中小企業にとっても、取引先や顧客から「情報を安心して任せられる会社であるかどうか」は重要な信頼基準となっています。日本の情報セキュリティやIT活用を支援する公的機関であるIPA(情報処理推進機構)が運営する「SECURITY ACTION(セキュリティアクション)」は、自らのセキュリティ対策への取り組みを“自己宣言”という形で公表できる制度です。対外的なアピールが可能であり、取引先への証明としても活用できる点が特長です。
https://www.ipa.go.jp/security/security-action/
1. 制度のしくみ
SECURITY ACTIONは、段階的に取り組める仕組みが特長です。
- 一つ星:情報セキュリティの基本5か条を実践すると宣言。
- 二つ星:一つ星に加え、自社診断とセキュリティ基本方針の策定・公開を実施。
宣言を行うと、取り組み姿勢を外部に示せるようになります。これは、商談や新規取引の場面で「セキュリティ意識のある会社」としての安心材料になります。
2. 宣言のメリット
- 取引先への信頼証明
「セキュリティに取り組んでいる」という姿勢を公式に公表でき、顧客や取引先に安心感を与えられます。 - 補助金活用の条件
IT導入補助金などで、SECURITY ACTIONの宣言が申請条件となる場合があります。 - 社内の意識向上
経営層や従業員に対して、セキュリティを「自分ごと」として考えるきっかけを作れます。
3. 実際の効果(IPA調査より)
IPAの調査(2023年度)では、宣言した企業の 約40%が「従業員の意識向上」や「取引先からの信頼向上」などの効果を実感 しています。さらに、 6割以上の企業が宣言後1年以内に具体的な対策を実施または予定 しており、単なる“宣言”にとどまらず、実際の改善活動へとつながっていることがわかります。
まとめ
SECURITY ACTIONは、中小企業が無理なく始められるセキュリティ対策の第一歩です。社内改革のきっかけになると同時に、取引先に向けて「安心の証明」として活用できる実務的なメリットもあります。まずは「一つ星」から取り組み、段階的に強化していくことが推奨されます。