情報セキュリティ10大脅威 2026 [最新傾向と組織・個人の対策ポイント]

情報処理推進機構(IPA)が2026年1月に「情報セキュリティ10大脅威 2026」を公開しました。これは2025年に発生した事件・攻撃・事故の中で、組織・個人に特に影響の大きかった脅威10項目をまとめたもので、組織・個人双方のセキュリティ対策の指針となる重要な資料です。
2026年版 情報セキュリティ10大脅威(組織向け)
1. ランサム攻撃による被害
ランサムウェアなどによるデータ暗号化や機能停止被害は依然トップ。復旧コストや業務停止の影響は大きく、バックアップ体制の強化・侵入前の検知対策が不可欠です。(情報処理推進機構)
2. サプライチェーン/委託先を狙った攻撃
取引先・委託先経由で侵入する攻撃は昨今増加傾向にあります。サプライチェーン全体のリスク管理(SCRM)の強化が求められます。(情報処理推進機構)
3. AIの利用をめぐるサイバーリスク(初登場)
2026年版で初めてランクインした項目です。AIの導入・運用に伴い、AIを悪用した攻撃・AIシステムのハイジャックや誤動作がリスクとして顕在化しています。
4. システムの脆弱性を悪用した攻撃
未知・既知の脆弱性を狙う攻撃は引き続き深刻です。パッチ適用の迅速化と脆弱性管理プロセスの強化が基本対策となります。
5. 機密情報を狙った標的型攻撃
特定組織を狙った執拗な標的型攻撃は継続。侵入前の兆候分析・内部ログの可視化が重要です。

2026年版 情報セキュリティ10大脅威(個人向け)
IPAは個人向けにも脅威を一覧化しています。代表的なものは次の通りです。
- インターネット上のサービスへの不正ログイン
- クレジットカード情報の不正利用
- フィッシングによる個人情報詐取
- スマホ決済の不正利用
これらはいずれも基本的なアカウント管理・多要素認証・怪しい通信の回避といった日常的対策が鍵となります。

今すぐ取り組みたい対策ポイント
1. 侵入前対策(予防)
- 脆弱性の迅速なパッチ適用
- 端末・ネットワークのセグメント化
- サプライチェーンリスク管理の確立
2. 侵入後の可視化・対応
- ログ分析・SIEM導入
- 異常行動検知の仕組み
- インシデント対応手順の整備
3. AIセキュリティの理解
- AIモデルやデータパイプラインの保護
- AIを悪用した攻撃パターンへの備え
- AIセキュリティ評価と運用プロセスの明確化
4. 個人向けセキュリティ
- パスワード管理と多要素認証
- フィッシング対策の基本教育
- 定期的なアカウントセキュリティチェック
リスクは多層化し、対策は全方位へ
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」は、組織・個人双方に対して、最新の攻撃傾向がどれだけ多様化しているかを如実に示しています。
単一の対策だけでは十分ではなく、「予防」「検知」「対応」「復旧」の多層的なセキュリティ体制の構築が必須です。
この脅威リストを自社・個人の状況と照らし合わせ、優先順位をつけて実践的な対策を進めていきましょう。

